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「とりあえずはやってみよう!」、「まぁ、トライしてみなければわからない!」、
ここからスタートしたバック屋さん!

第1回:山口絵理子氏(4/6ページ)

高田:私だったら「もっとかわいいバックをデザインするのに!」との思いで、バックのデザイン画とアルバイトで貯めたお金を持ち、一人でジュートバックの 生産者を探しに、何十件も工場を探しまわったんですね。

山口:はい、そうです。工場巡りは土日に、自分の時間を使い歩き回って探しました。何件も何件も門前払いをくらったり、「サンプルをつくるよ。」と言ってくれたのに、サンプル料金を払ったらそれっきり音信不通になることもありました……。

高田:それでも、諦めようとは思わなかったのですね?

山口:半分諦め、でも可能性はゼロではないと信じ続けました。そして、帰国寸前にようやく最高の生産者と出会えることができたんです!

高田:今では商社のダッカ事務所の方々はびっくりしているのでは?

山口:はい、そうですね。でも、結構アイデアベースではこんなことを考えているんだ、と事務所の日本人達には話していたんです。でも、「そんなことできるわけない。日本でバングラディッシュのバックを持つ人たちがどこにいるんだ。やっぱり品質を考えたら絶対無理だ。」という反応でした。

高田:それを聞いてどう思われましたか?

山口:まぁ、とりあえずはやってみよう!と。

その時点で確信はなかったけど、まぁ、トライしてみないとわからない!と思いました。

高田:一般の日本人のように「そうだなぁ~、無理かもなぁ~」って、思わないところが凄いですね。日本人に使ってもらえるバックをつくるにはどうしたらいいのか? というところからのスタートだったわけですね。

山口:私はバック屋さんでも何でもないし、誰も何も教えてくれませんでした。

高田:山口さんは、日本でバックスクールへ通われていましたよね? 結構大変だったようですが……。スクールに通い、バックが作られる工程を実際に経験し、それを現地の工場で教えるために通われていたんですか?

山口:はい、スクールに通ったあとに、現地で指導もしました。

高田:工場では、製作工程において現地の方々とかなり戦ったと聞いています。

山口:彼らが時間をかけて作ってくれたものに対して、何度も駄目だしをしなければなりませんでした。しまいには反感を買うこともありました。その時は本当に辛かったですね。

高田:そんな中、常に工場の方々のモチベーションを保ちながら、高い品質を つくりあげるには、どのようにされたのですか? 日本でも多くの社員をまとめ、モチベーションをあげるのは大変なこと。それを言葉や環境、そして文化が異なる彼らを、どうやってまとめたのですか?

山口:みんなと一緒につくるんだ、というスタンスで取り組みました。年令もあまり変わらない工場の人達。大企業のように、「やれ!」と言ってやらせるやり方も、自分にはあわない。そんなことは絶対に無理。現地の人たちと一緒の生活をし、一緒のものを食べました。お腹を壊してでも一緒のものを食べ続けました。工場の休日には、たまに工場で働く仲間の家に遊びに行ったりもしました。

そして信頼関係を深めていき、私達は仲間なんだよ!ということを伝える努力をしました。あと、実際にやったことは、おやつを提供したりなど、ホントに些細なこと。工場で音楽を流したり、お掃除を一緒にしたり。やはり信頼した人のためにつくるものと、「やれ!」と命令された人のために作るものでは、出来上がるものも全く違うはずだと信じていました。

とにかく工場のメンバーとは常に同じ目線でいることを意識しました。みんなに習うこともたくさんあるし、一緒にやろう!と常に声をかけていました。

高田:一つずつ、少しずつ信頼関係を築き上げていったのですね。外国人の社長が、同じ目線で一緒に頑張ろう!と言ってくれるのは、現地の方も嬉しかったでしょうね。

山口:はい、工場に行くと、いつも話しかけられますね。 いつもみんなが寄ってくるんですよ。
海外のバイヤーさんたちが来ると、工場は凍りきったようにシーンと静まり返り、ピリピリとした緊張感が漂うんです。でも、私が工場に行ったときは、全員笑顔で迎えてくれるんです。

高田:これがマザーハウスの目指している姿なんでしょうね。聞いているだけで嬉しくなりますね。山口さんの工場であれば、ただやらされるだけではなく、仲間として仕事を楽しめ、また他社に比べて給与も2.5倍。

山口:単純に職人さんなので、「いいものをつくる」ことに対して貪欲であることは日本と変わらないんです。ただ、いままでは、それが発揮されないモノだけをつくらされていた。単純に、自分の限界まで挑戦できる、そしていいバックをつくる機会が与えられていなかっただけなんです。

高田:プロとして、自分達の職人としてのプロ意識が目覚めたのですね。 よい商品を皆で一緒につくることに、どんどん意識が高まっていった、ということですね。

山口:そうです。だから、これはこうした方が使いやすい、とか、工場のみんながどんどん提案をしてくるようになったんです。以前はそんなことなかったんですが。

高田:彼らの意識がそこまで変わる姿は、頼もしく嬉しいですね。ひとつになった!という感じがします。でも、裏切りとか、またいろんな困難が待ち受けていたんですよね?

山口:はい、そうなんです……。もう裏切られたときは本当に大変でした。

前半おわり

後半の内容

山口絵理子さんバングラディッシュでのバッグつくりは、頻繁に問題も発生し、苦労の連続。 何度も苦やし涙を流すことも。でも、壁が高ければ高いほど、どんどん闘志を燃やして向かっていく姿は頼もしい。

階段を一歩一歩上るたびに、信念とか、チームの結束力がまた一段と強くなり、そして常に上を向いて進んでいる山口さん。

後半では、裏切られた結果、また工場探しからはじまる様子、 そして今後のマザーハウスの展開をお聞きしました。お楽しみに!

4月8日更新! 対談の後半をアップしました。こちらからお読みいただけます


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