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裏切られ、また工場探しからのスタート
そして最高のパートナーに出会うまで

第1回:山口絵理子氏(5/6ページ)

山口絵理子さん高田:裏切られたのは、現地のパートナーの方ですか?

山口:いいえ、前の工場の中の1人に裏切られたんです。その1人に裏切られたので、その工場との取引はそこで終わってしまいました。で、また違う工場を見つけるために奔走しました。
現地のパートナーのアティフさんが、いつも工場と私の間に入って仕事をしてくれている。アティフさんは、工場の指揮を務めており、その下で工場長さんがいます。

高田:でも、裏切られた後に新しい工場を探し回り、今の工場と出会えたのはつい最近のことですよね?

山口:はい、ホントに最近なんです。

高田:ということは、マザーハウスのバックをつくるために、また一から指導されたんですね? 前の工場で、お互いの信頼関係を築き上げるまでには時間もかかり、ご苦労もされた。今回はすぐに結束して、皆さんのキャッチアップが早かったのですか?

山口:アティフさんがキーパーソンでした。彼とはマザーハウスにとって必要な工場はどういう工場なのか、とことん話し合いました。彼は、今後裏切られることのないよう工場にマザーハウス側の人間が一人必要である旨強く主張してきました。現場を監督するというか、現場の生産状況などを見て、随時マザーハウスに報告する人間が必要だと。そして、本当にマザーハウスのための工場を選ぼう、と。

私はこれまで何十件の工場を見てきましたが、アティフさんは皮の工場で15年働いてきた経験をもつ、本当にベテランなんです。彼のネットワークは非常に強いので、新たな工場探しはアティフさんを信頼し、任せました。小さくてもいいから、バングラディッシュで最高の技術を持っている工場を選んで欲しい、と。いくつか探してもらい、実際にアティフさんと一緒にいくつか工場をまわってみました。

そうやって苦労して見つけた新しい工場、そこには現地でも最高のパタンナーがいました。アティフさんが、この人は非常に高い技術をもっている、この人であれば信頼できる、やれるだろう、と。そして、その新しい工場と契約をすることになりました。

最初の工場での品質はそれなりに高まったのですが、それとは比較にならないぐらい今の工場の技術は高いんです。だから、キャッチアップも非常に早かった。

高田:ということは、信頼している人に裏切られ、非常に辛い経験をしたが、結果的にはとてもいい方向につながったわけですね。アティフさんとはお互いに信頼しあった、最高のパートナーの関係ですね。

山口:はい、そうなんです。職人さんの一つ一つの技を見ると、日本の職人さんの技より優れているんです!

高田:それは凄いですね。

山口:はい、ホントにびっくりしました。すごい頑固で、すごいプライドが高い方なんです。

高田:職人気質の強い方なんですね。(笑)

山口:だから、マネージするのは大変ですが、そこにアティフさんがいることによって、とても助けていただいています。今とてもいいビジネス・パートナーの関係になっています。

高田:マザーハウスの社員として工場を見てくれる、工場長さんみたいな方が常駐しているんですね。では、以前とは異なり、安心して現地の状況を正確に把握できるようになったんですね。

山口:はい、今はだいぶ落ち着きました。今回はまさに、技術の高い職人に出会えました。

高田:色々大変な局面にあいながらも、クヨクヨせずに、どんどん行動を起こして前へ進んでいますよね。ただ進むだけではなく、粘り強く、諦めずに。そのパワーはどこからでてくるんですか?小さな頃からそうだったんですか?

山口:そんなことはないです、うーん、たぶん、柔道をやってたからだと思います。

高田:柔道ですか、そこで精神的にも鍛えられたんですね。全日本大会にも出場されたんですよね? 48キロ以下級って、柔ちゃん(谷亮子さん)と同じ階級ですよね?

山口:はい、そうです、7位入賞しました。(笑)

高田:全日本で7位とはすごいですね。バングラディッシュでも現地の柔道大会で優勝されてますよね?

山口:MVPなんかとっちゃいました。(笑)

高田:日本人の小さな女性だと思っていたら、優秀して、MVPなんか取るから、現地の人は驚いたでしょうね。

山口:ええ、でも、現地ではブーイングだったんです。えっ、誰?何で日本人が出場するんだぁー、って。(笑) でも、楽しかったです。

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