
月1度の研修で、すべての状況をオープンに!
高田:毎月2〜3回、スタッフ全員参加型の研修(会議)を行っているそうですね。
吉村:管理者リスクマネジメント会議、全体会議は各ミーティングのほかに毎月開催しています。
高田:吉村さんが指導されているんですか?
吉村:早稲田ビジネススクールで遠藤功教授他先生方にご指導いただいたことは即現場に持ち帰り実践するように工夫しています。連携していただいている方に社会福祉士、介護福祉士、ケアマネージャー、精神保健福祉士と業界の国家資格をすべて取得されている方がいるので、スキル向上の指導も受けています。
高田:外部の講師の方がいらっしゃると、刺激になっていいですね。
吉村:福祉はヒューマンサービスです。例えば、私の見ていないところでスタッフ同士の人間関係がうまくいっていないと、そのチームは絶対によい成果をあげられない。いくらいいスタッフが入社しても、そのスタッフは排除されてしまうこともあります。私のいない場所でそういうことが起こりつつあり、どうやって変えていくべきか検討した結果、スタッフ間コミュニケーションに視点を当ててすべての状況をオープンにすることにしました。
高田:状況をオープンにする、とは具体的にどのようにされるのですか?
吉村:現場のリスクマネージメント・リストを作成し、下のスタッフからの意見もすべて吸い上げ、「環境要因、スタッフの人員、お客様」の3つにわけて思考する習慣をつけ問題解決へと導くのです。氏名も堂々と書いてもらうようにしました、匿名だと単なる不平・不満で終わってしまうことが多々ありますので。今自分はこういう問題で困っている。こんな風にしてはどうか?というように。必ず提案しなくてもよいのですが、緊急度の高い、低いにマークします。例えば、項目が「お客様」で「緊急度が高い」案件であった場合は即座に対応しなければなりません。
高田:誰でも意見できるシステムはいいですね。
スタッフ一人ひとりが当事者意識を持つことで、大きく変わった
吉村:これまでは、各ユニットの責任者が自分の主観でものごとを決めていました。それが正しい方向であったとしても、その責任者の下にいるスタッフのAさんにとっては有利だが、Bさんにとっては不利になることもでてきます。いろいろな不公平や不透明さがありましたが、このようにすべてオープンにすることにより、そういったことができなくなりました。
私も含めて、誰の名前も書けることになっています。「○○さんは、こういうことがあり困る」など具体的に書きます。書かれた人は絶対に文句は言えないことになっています。(笑)誰だって、自分が書かれたら恥ずかしいじゃないですか。それ以降、陰険な意地悪とか消滅してしまいました。
高田:すぐに効果があらわれたんですね。他に何か変わったことはありましたか?
吉村:明らかにみなさんの意識が変わってきましたね! その研修をしてからまだ2か月しか経っていませんが、明らかにみなさんの意識、行動が変わりました。
高田:それは素晴らしいですね。ちょっとしたことでも、緊張感を持ち、意識することでかなり変わるものですね。
吉村:はい、私もびっくりしました。
高田:この業界の仕事は、シフト制でもありますから、チームワークは本当に大事ですね。
吉村:意識の問題として、「みんなで相手を思いやりながら一緒にやっているんだ!」ということを強く意識してもらうことは大切です。
高田:スタッフのモチベーションをあげることも大変なことですよね。
吉村:研修では「こうしなさい」「ああしなさい」と言われるままにやるのではなくて、「一人ひとりのスタッフが自分たちで自ら運営してみる」「自分たちが当事者意識で」「自分たちが参加する」ようにしています。どうしても解決できない場合は、コミュニケーション・コンサルタントや私が入り一緒に知恵を絞ります。でも、とにかく自分たちの手で、自分たちでやるんだ、という現場の意識が強くなってきたことが一番の収穫です。そして何より現場で働いているスタッフみんなにとって仕事が楽しくなってきている気がします。
高田:スタッフ一人ひとりが当事者意識を持つことにより、大きく変わったんですね。吉村さんも毎回参加されているんですよね?
吉村:もちろん毎回参加しています。私もシートに記入しますし、事前打ち合わせにも時間を割きます。「吉村は参加していない・・・」なんて書かれてしまっては大変ですし。(笑)
高田:みなさん、前向きに研修に参加しているんですね。
吉村:みなさん、よくいろいろなことを考えながらシートに記入していますし、仕事の仕方も変わってきましたね。
高田:それは素晴らしいですね!
