
「いかに無駄を省いて、効率よく楽しく仕事するか」
「やり方と」か「気持ちの持ち方」で、どんなことでも変えられる!
吉村:研修は、スタッフ全員疲れているのに、退勤後の貴重な時間を割いて集まっている。現場のスタッフがいかに「楽に介護をするか」ということを考えています。「楽」とは、「無駄なことを省いて、いかに効率よく楽しく仕事をするか」という意味が含まれています。
高田:具体的にはどういうことがありますか?
吉村:ある時点でチェックすればいいものを、あとまわしにしたため、みんなで大騒ぎになってしまうこともよくあったりしました。その際は倍の時間とエネルギーがかかってしまう。例えば、トイレ誘導のタイミングにしても、Aさんの場合は何時頃に誘導すればいいか、ということをスタッフ全員が共通認識としてもっていれば、予測がきくので、スムーズにいくはず。
高田:そうですね。
吉村:でも、申し送りしなかったり、見逃してしまうことで、例えば失禁してしまった場合は、大変なことになります。すべてのお着替えからはじまり、ベッドシーツなどすべて変えなくてはいけない。洗濯物も増えるし、スタッフの時間もとられる。すべてのことがマイナスです。「楽な介護」ではなくなります。スタッフの表情も「楽な介護」では笑顔が多くなります。
高田:うっかり申し送りしなかっただけで、大変なことになりますね。
吉村:そんな無駄な時間と労力を費やすのは非効率なことです。そんな無駄を省いて、もっと利用者さんとのコミュニケーションに費やしたり、お散歩にお伴したり、他の有効なことに使えるはずです。そのために、「常にリスクのあることは回避しましょう!」という認識のもと行っており、更に「見える化」と融合させ、よりよりサービスができるようにしています。そして、スタッフも気持ちよく働ける環境づくりをしています。
高田:スタッフみなさんの中に、そういう共通認識が染み込んでいるんですね。
吉村:まだまだそこまではいっていませんが、それに向けて頑張っている状況です。(笑) 少しずつでも改善できれば、と思っています。昨日よりは今日、今日よりも明日、というように、一歩ずつ前進できたらいいな、と。「焦らず・弛まず・怠らず」でしょうか。
高田:小さなことでも日々の努力が大切ですね。
吉村:ちょっとしたきっかけで、この研修をすることになったのですが、こうした機会は非常に大事だと痛感しています。
高田:今後は、今以上に提案がふえそうですね。
吉村:「楽」は「楽しい」ということ。「楽」になれば、利用者さんもスタッフさんも笑顔で有意義なことに時間を使うことができるようになれると信じています。
高田:吉村さんを見ていると、とても楽しそうです。
吉村:はい、本当に楽しいですよ! 20代は(株)リコーの東銀座本社にてOLをしていました。北京の日本大使館で働いていた事もあります。(おかげさまで中国語は母国語並みです)
その後、結婚、出産し30代でシングルマザーとなり、37歳で大学に入学し、半年後にグループホームをオープンしましたが、今が一番充実していて、楽しいですね。
高田:お話していても、吉村さんの充実度合いが伝わってきます!
吉村:やはり楽しくなければ続かないですよね。
高田:失礼ですが、介護はイメージ的に辛い・厳しい・暗いと思ってしまいます。
吉村:「やり方と」か「気持ちの持ち方」で、どんなことでも変えられるのではないでしょうか。
高田:それが秘訣ですね! 最近は介護施設の経営、また介護者によるいじめなど、いろいろな事件が報道されていますね。
吉村:本当に残念なことです。施設内で何かあっても、誰も気づく人がいない、ということが信じられないですね。
運営していて大変なことは?
「目まぐるしく変化する介護保険法の改正にいかに適応、対応し
存在価値をみいだしていくのかが永遠のテーマではないでしょうか。」
高田:大変なことはいろいろとあると思いますが、運営していて一番大変なことはどういうことですか?
吉村:やはり、「人にはじまり、人に終わるのではないか」と痛感しています。どこの企業でもそうかもしれませんが、スタッフの問題、人の問題は教育を含め大きいですね。一番大変だと思います。人により会社もユニットも大きく影響を受けます。介護の業界はどこもそうなのですが、流動率、離職率が非常に高いと思います。ようやくユニットに慣れたり、利用者さんとも慣れたころにスタッフが辞めてしまうことが残念ながらよくあります。
高田:辞める理由は、業界内での移動ですか、それとも仕事内容の辛さなどですか?
吉村:両方ですね。あと、残念ながら介護の業界は給与・待遇面がよいとはいえないので、家庭を持っている方は職業を変える方もいますし、女性であれば、体力的に疲れ果てて辞めてしまう方もいらっしゃいます。
高田:介護は体力的にきつい仕事でもありますので、サラリーの面含めて大変ですね。
吉村:これは業界全体でいえることです。ですから、いかにスタッフを教育し、モチベーションを上げ続けていけるかが大きな課題です。あとは、業界でも人材が不足していますので、人材確保も大きな課題です。若い方も、同じサラリーであれば、できるだけ楽な仕事に走ってしまいますから、若い体力のある人材を確保するためにも、「いかに介護業界に魅力をもってもらうのか」が課題です。
高田:業界全体の大きな課題ですね。
