
介護の仕事は、楽しかったから8年間も続けられた!
高田:相当お忙しかったのでは?
小関:30名入所されていて、日勤と夜勤のシフトで動いていました。シフトのリズムに慣れるまでは大変でしたね。
高田:では、8年間はそのサイクルで夜勤も含めてやってこられたんですね。体力的に大変だったのでは?
小関:退職するころは、体が鉛のように重くなり、何かおかしいな・・・と気が付いたときには体調をこわしていました。いくつかアレルギーがでてしまったり、足に違和感を感じたり、以前はなんともなかったのに、体のあちこちに疲れを感じはじめたんです。それで、思い切って退職することにしました。
高田:介護は、特に女性には体力的に本当に大変のようですね。もちろん精神的にも大変だと思いますが、まずは体力がないと続けられないお仕事ではありますね。
小関:でも、楽しかったから8年間も続けられたんです!
高田:「楽しい」というのは、どういったことが楽しかったんですか?
小関:学校を卒業して立ち上げスタッフとして入社したので、はじめの3年間は無我夢中でした。あと、素敵な先輩もいましたので、とにかく早く追いつきたいと思い頑張っていました。
高田:あこがれの先輩がいるのは励みになりますね。
小関:私は認知症のフロアーで、マニュアル作りから、とにかくすべて経験させてもらいました。私自身、介護すること自体がはじめての経験でした。新人研修で、お食事やお風呂の介助、オムツを換えることなど、はじめて経験することばかりで、それがとても新鮮でした。
高田:現場はいろんなことが起きるでしょうからきつかったり、大変だったのではないですか?
小関:そうですね。触れ合うことは、大変といってしまえば大変なんですが、でも、みなさんホント個性豊かな方々だったんです。ですから、認知症とはいえ、そういう個性豊かなみなさんと触れ合うこと自体が楽しかったんです。ほんと、楽しかったですよ。
高田:そんな風に「楽しい!」と心から思って介護しているなんて素敵なことですね。家族の立場であれば、小関さんみたいな人に介護して欲しい、と思いますね。嫌々仕事だから・・・、と介護するのではなく、「楽しい!」と思ってお年寄りと触れ合うと、相手にも伝わりますし、そういう方にケアしていただけると家族としても安心しますね。
小関:そうですね、今思うとそうかもしれませんね。
高田:はじめの8年間で介護の基礎をしっかり学ばれたんですね。
小関:新卒だからとか一切甘えは許されませんでした。話し合いなどでは必ず意見しなくてはなりませんでしたし、そうするといつも考えていなくてはいけない。そのためには知識も必要なので勉強もしました。はじめは緊張でドキドキしていたんですが少しずつできるようになると、それがどんどん楽しくなってきたんです。はじめての職場では、仕事に対しての考え方とか、意識することなどを教わりました。
2社目は社会福祉関連のベンチャー企業
福祉に関して視野が拡がった
高田:1社目を辞めたあとは休養していたんですか?
小関:数ヶ月休んでいたんですが、人間って、何もしていないと結構不安になるもので、また働こう!と思ったんです。社会福祉関連の受託事業をしているベンチャー企業で一時アルバイトをしていました。
高田:介護の現場を離れてどうでしたか?
小関:退職したのは、ちょうど介護保険が導入されてから1年後でした。介護が大変だということは、自分の身に起きないとわからないこと、認知症の方もなりたくてなったわけではない。やはり病気を予防するには、心身ともに健康であることが大切。じゃあ、自分なりの健康を維持するにはどうしたらいいか、とか考えるようになりましたね。
高田:「介護」より「健康であるべきには」を考えるようになったんですね。
小関:体調を壊して辞めたこともありますが、一度介護の業界から離れてみてみたい、と思いました。でも、離れたら離れたで「やっぱりもう一度介護に関わってみたい!」という気持ちが湧き上がってきました。
高田:ベンチャーは数カ月のアルバイトだったんですね。
小関:その間に、ケアマネージャーの資格をとったりしました。そのベンチャー企業の社長は女性だったんですが、はじめの面接で、「ビジネス書を読んだことがあるか?」と聞かれたんです。それまで私は介護の本しか読んだことがなく、カネギーも含めて、ビジネス書は読んだことがありませんでした。「今後は介護のことばかりやっていてはダメ。これからはこういうビジネス書も読んで、世の中のことも知らなきゃ駄目よ。」と言われたんです。それから、いろんなビジネス書を読むようになりました。
高田:違う世界を少しずつ知るきっかけになったんですね。
小関:その会社は福祉関係の会社でしたが、ベンチャーですからいろんなことを企画してビジネスとしていました。私は今まで福祉のことしか見てこなかったけど、福祉をやってきたから福祉の分野だけにこだわる必要はなく、経験をいかしていろいろな形で社会貢献できるんだな、と少し目先が広がりました。
高田:2社目での経験は視野が拡がったり、「自分のやりたいこと!」を考えさせられるきっかけにもなったんですね。それは大きな充電期間になりましたね。
3社目の有料老人ホーム - 再度介護の現場へ
高田:3社目では、有料老人ホームにお勤めされたんですね。
小関:そうです。はじめはホームに勤務していたんですが、ホームを全国に増やしていくことになり、入社1年後には本部の仕事として、各ホームの研修の仕事をすることになりました。
高田:そのお仕事はどうでした?
小関:スタッフの教育経験はありましたが、一人ひとりの接し方や介護方法など、細かな指導が中心でした。でも、新しく立ち上げる施設での教育になると、細かな研修だけではなく、会社の理念からはじまり、介護に対する姿勢とか、そういう考え方も教育しなくてはならなかった。ゼロから指導しなくてはなりませんでしたので、今までとは違う意味で楽しかったですね。
高田:そこでは4年半お勤めされたんですね。
小関:全国各地をまわって研修していると、いろんな人に出会えますし、地方によって考え方も価値観も違う。自分の思っている価値観と異なる人に出会えることが楽しかったですね。
高田:いろんな現場を見れることも楽しいですね。
小関:介護の賃金のことがここ数年問題になっていますが、やはり賃金はあげなくてはと身をもって感じたりしました。常にたくさんの疑問をもちながら働いていましたね。
高田:業界的にも難しい問題が多いですね。
( 前半おわり)
後半について
後半は、アロマセラピーのスクールへ行ったきっかけ、サロンを通して実現したいことなど、これまでの経験談も含めてお話していただきました。また、働く女性へのメッセージもいただきましたので、ぜひお楽しみに!
#2008年12月17日更新:対談の後半をアップしました。こちらからどうぞ。
