
アロマセラピーの学校へ行ったきっかけ
介護の経験から、「健康でいるためにはどうするべきか?」を考えたかった
高田:3社目を退職する半年前からアロマの学校へ行かれたようですが、どんなことがきっかけだったんですか?
小関:「触れることで人が変わる」ことを感じていました。長年介護の仕事をしながら、人の健康に興味もありました。健康も人それぞれ。認知症の方は健康ではないかというと、そういう訳ではないんです。
高田:それは具体的にはどういうことですか?
小関:例えば、食事のときになると、動かなかったはずの右手がものすごい勢いで動いたりするんです。普段ぐったりしていたり、右手もだらりとしているのに、食事のときになると急に動き出す。私はそういうことにものすごく生命力を感じましたし、よく感動していました。日常生活に関しては全て介助が必要だけれど、力はものすごくあって、私たちが動かせない物を軽々と動かしたりとか・・・。みんなすごい生命力を持っているのに、認知症というだけで介護が必要になり、ある程度決められた生活を送っている。こんなに生命力がありながら、何でこうなっちゃうのかな、というようなことを常に思っていました。
高田:生命力ですか!そういう観点で考えたことはありませんでした・・。
小関:病気になる前に、心身ともに健康であることで、何か変わってくるんじゃないか。介護もすばらしい仕事だけれども、そのような病気になる前に何かお手伝いできないか、とずっと頭の中にありました。それで、日常生活に取り入れていたアロマテラピーが頭の中で結びついて、「学校に行ってみよう!」と思ったんです。すごく漠然としていましたが・・・。
高田:健康はどうあるべきかな、ということは常に思っていたんですね。
小関:そうですね。
高田:一人ひとりにあった介護がある、でも、介護が必要としない身体でいるためにはどうしたらいいのか、とずっと考えていたんですね。実際に介護の現場にいたから思うことですね。あと、触れることで変わる、人の手のぬくもりは大きいんですね。
小関:触れられるだけで心地よかったり、安心感につながったり。座っているだけより、肩をなでる、腰をさする、頭をなでられるだけで気持ちがだいぶ楽になったりすることもあるんです。
高田:普通の人でも、スキンシップというか触れ合うことは大切ですよね。
小関:足浴のように、温めて心地よくなってもらうやり方もあります。例えば、毎日同じ時間にスキンシップや声かけとともに足浴をして差し上げると、それによって表情が日々どんどん変化していくことがあります。そして食欲もでてくる。食欲がでてくると、やはり人間って元気になる。食べることで体力も回復してものすごく元気になるものなんです。
高田:そうですね、やはり食べれないと体力が低下して動けなくなりますからね。というか、動きたくなくなりますね。
小関:体力がでてくると動けるようになる、そして相乗効果がでてきて、全身がよくなっていく。やはり続けていくということはすごく大事だな、とつくづく思いましたね。
高田:それは介護の現場で経験して気づかれたことなんですね。
小関:そうですね。人に触れたりとか、声をかけたりするのも大切なことです。人の変化って、あまりわからないもの。でも、やはり仕事としてやっていると意識しますし、じっくり観察するんです。
高田:普段生活していると、何か気になることがない限りあまりわからなかったりしますね。だから、家族ってわかっているようでわからないのかも。(笑)
小関:身近すぎるのかもしれませんね。
「ホリスティック」という考え方
私がやりたいことにマッチしていた!
小関:アロマスクールではいろいろなことを学びますが、特に「ホリスティックという考え方」が印象深いですね。部分ではなく、全体を見ること。体だけでなく、心の状態もみる。何でも、その後ろにあるものをしっかりと見る、ということを習いました。ボディタッチにしても、そこが凝ってるからほぐすというだけではなく、身体に触れて何を感じるかなど、総合的にしっかりみる、感じるということを中心に学びました。身体と心のつながりや、それを整えることが大切であるという考え方は、私がやりたいことにとてもマッチしていましたね。やっぱりそういう考え方があるんだ、そういうことを実践することができるんだ、と。
高田:やりたいことが見えてきた瞬間だったのでしょうか。
小関:介護と共通するんですが、介護をしながら表情を見ることもとても大事なことなんです。例えば、食べられるようになった!ということは、手が動くようになっただけかもしれない、または食欲がわくようになったことかもしれない、それは表情だったり、動作ひとつとっても、じっくり観察しなければわからないことなんです。
高田:具体的にはどういうことですか?
小関:「食べたい」から右手が動くようになる。手を動かすために、一日何回も右手を動かす練習をすることよりも、食欲が湧いてきた方が、右手も動くようになる。だから、手を動かすことだけを目的にしないで、いろんな角度から介護をする必要があるんです。
高田:なるほど。普通は、動かないところを動くようにリハビリしたりしますが、そうではなくて、食欲がわくから自分の意志で右手が動くようになる。意識からくることが大きいのですね。
小関:意識することで大きく変わり、その前とでは全く違ってくるんですよ。
高田:そういうことに周りの人間が、介護している立場で気がついてあげることは、重要なことですね。
小関:もちろん、食欲をだす、ということは難しいこと。自分ではなかなかできませんし、まして認知症の方にとっては大変なことです。ですから、まずは興味を持ってもらえたり、食べたい!と思ってもらえるように工夫をしますね。個人差がありますので、この方は食べる前にこれをやろう!この方の場合は、食べながらあれをやろう!とホント全員バラバラなんです。こんなことして何になるんだろう・・・って思うこともありますが、続けることでそれが1か月後に成果がでてきたりするんです!
高田:一人ひとりの症状や表情を見て、いろいろ工夫しながら、とにかく毎日毎日続けてみる。結構地道で大変な作業ではありますね。
小関:そういうことがつまらないと感じる方には向いてないかもしれません。私はそういうこと一つひとつに興味があり、楽しかったんです。
高田:認知症の方が少しでも変わっていく様子を楽しんだり、小さな発見や些細な変化や喜びを感じながらお仕事されてきたんですね。積み重ねてやってきたことが実を結ぶと喜びも大きいですね。
小関:そういう変化はホントに嬉しいです!
高田:介護のお仕事をされているときから、そして今に至るまで、人と触れ合うこと、人が変わっていくこと、そしてそのお手伝いをすることを長年されてきましたね。
小関:そうですね。今はトリートメントで、今後それが変化するかもしれませんが、根本的にやりたいことは変わらないですね。人がちょっとでも変わり、そしてより豊かに生きるためのお手伝いがしたいな、と思いますね。
高田:これからがますます楽しみですね。
小関:そうですね、これからどんな風に変化していくのかが楽しみです。(笑)
